『反ヒューマニズム音楽論』スタート!

アルテスパブリッシングのサイトで若尾裕さんの『反ヒューマニズム音楽論』という連載がスタートしたんですが、これがめっぽう面白いといかじつに鋭いというか、今後を期待させるもの大なのであります。

「情動言語化された音楽語法はとても使いやすい。中世の時代の対位法を学ぶことにくらべたら、ポップスのコード進行を学ぶことはどれほど簡単なことだろう。」

「平板でおおざっぱな人間理解や、音楽のとらえ方がひとり歩きし、ヒューマニズムというひとつの簡便なイデオロギーにまで発展して、人びとを動かしている。私が問題にしているのは、このようなおおざっぱな音楽の感性のあり方である」

西洋中心に発達してきた音楽様式、「ワールド・ミュージック」への疑問、今のJ-POPの恥ずかしいくらい健全な歌詞などなど、じつにさまざまな音楽について本質的な諸問題を考えさせられるヒントが満載ってかんじです。

若尾さんとはぼくは面識ないんですが、相棒の木村君が音楽之友社でつくった『音楽療法を考える』はほんと名著です。大きな問題を具体的なところから始めて丁寧にときほぐしていく手つきがお見事。読んでたら大友良英さんとか増田聡さんとかいろんな人と引き合わせたくなったです。

サイトでの連載はほかにもいくつか準備中。だんだんにウェブマガジン化していきたいという構想はもってるんですが、実現までにはもうちょい時間がかかるかな〜。