慌ただしい日々2

花見が終わったころに出始めて、まだ尾を引いてる咳の具合がすこし良くなった先週末からは打合せとイヴェントが続いた(校了前だっていうのに)。備忘を兼ねてざっと。

金曜日:流通方面の打合せと書店営業のあと(リブロのYさんにやっとお会いできた)、7時に船山隊員と自由が丘のミシマ社引っ越しパーティへ。最新刊『謎の会社、世界を変える』も絶好調で、スタッフもどんどん増えるし、日本一元気な出版社でしょう、正真正銘。新しいオフィスはなんと古い木造の一軒家! 庭もあるし部屋数も多いし、これはちょっと理想的な環境かも、とこっちまでワクワクした。当然名刺交換大会となるわけだが、帰り際にご挨拶したのがディスカヴァー21でベストセラーを連発してらっしゃる敏腕編集者Cさん。共通の友人がいたのでお名前はかねがね、だったのでした。またゆっくりお会いしましょう。

土曜日:午後、目黒のレストラン「Luebro」に場所を移してスタートした「新・音樂夜噺」へ、『魂(ソウル)のゆくえ』を10冊ほどかついで出かける。ピーター・バラカンさんと高橋健太郎さんという、じつは珍しい顔合わせでのワールド・ミュージック話を、メーカーの方が自らセッティングしたMartyの見事なサウンドとともに楽しむことができた。最後は150年前のギターによる健太郎さんの弾き語り。巧く言えないけどとても豊かな音楽を聴かせてくれました。本は7人の方にお買い上げいただけた。夜は新橋ZZでの「70年代日本のロックを語る」イヴェントに行くはずだったが、夜になると咳がひどくなるので、会場内のもうもうたる紫煙に耐えられそうになく、断念。

月曜日:創業以来たいへんお世話になっている日本橋丸善を訪ねて、音楽書のご担当IさんとYさんにごあいさつ。『魂(ソウル)のゆくえ』も2ヶ所に平積み。ありがたいことです。浅草に移動してアートスフィアで大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ「楕円の誘惑」を聴きに行く。場内に入るといきなり目の前にドラム・セット。なんだなんだ?と思ったら、12人のミュージシャンが大きな楕円を描いて内向きに陣取ってる。客席はミュージシャンの後ろ三方と、その楕円のなかにも。ぼくは円の外、大友さんの真っ正面反対側でSachiko M.のうしろという位置の壁際。PA用らしいスピーカーが8本見えるけど、どれがどっちを向いてるのか、なんの音を出してるのか? いったいどういうセッティングなんだろう? でも聴いてるかぎり音場感はごく自然。肝心の音楽、とくに後半は一瞬たりとも目(耳)が離せない、それはそれは刺激的な音が展開されて、あっという間の1曲50分(くらい?)だった。最後の大友さんの解説で、じつはあちこちの椅子の下にも小さなスピーカーが置かれていて、全部で40個以上も使われていたことを知る。僕の席のすぐそばにもあったのにぜんぜん気がつかなかった。この日の音楽は、5.1chとかで録ればある程度再現できるのかもしれないけど、それはやっぱり別物だろう。あの時間、あの空間に身を置かないかぎり同じ体験はできない。行ってよかった、と心から思える体験でした。旧知の編集者と駅で別れて帰宅。

火曜日:午前中は倉庫会社と打合せを終えたあと、ジャーナリスト烏賀陽弘通さんオリコン裁判第一審判決を聞きに霞ヶ関の地裁へ。開廷には間に合わず、ちょうど出てきた烏賀陽さんに訊くと、首を横に振り親指を下に向けるではないか! まさかの烏賀陽さん敗訴。オリコンのやり方も判決も納得はできない。なにができるわけでもないけど、今後も烏賀陽さんを応援します。弁護士会館でのブリーフィングを聞いたあと神楽坂で雑用&ミーティング。なんだかやけに疲れて帰宅。

水曜日:夕方、高田馬場の倉庫で『魂(ソウル)のゆくえ』10冊を受け取り、近所の水俣フォーラム事務所に届ける。29日のイヴェントの司会をピーターさんが務めるので、会場での販売用。内容的に場違いだけど売れるでしょうか? 水俣には学生時代いろいろ縁もあったので、事務局の方と立ち話してから辞し、渋谷へ。神楽の本を書いてもらっているミュージシャンの三上敏視さんと打合せ。続いてタワーレコードで映画『アイム・ノット・ゼア』公開記念の和久井光司×浦沢直樹トークへ。開演前に楽屋へ行き、お二人に『魂(ソウル)のゆくえ』を進呈。なんと浦沢さん、新潮文庫版の『魂(ソウル)のゆくえ』を愛読されていたそうで飛び上がってしまった。いつかピーターさんとぜひお引き合わせしたいものです。終了後延々と続いたサイン会のあと、食事しながら和久井さんと単行本の打合せ。内容はまだ書ける段階じゃないけど、6月中に出さないと洒落にならない企画。さすがにスリリングです^^;。

木曜日:編集チーム「奔屋」のお二人を事務所(自宅です)にお迎えして、お茶とお菓子で企画会議。当初の構想からはずいぶん変わったけど、楽しみな企画が生まれそう。晩飯時になったので4人で韓国料理を食べて解散。

〜続く