音樂夜噺第30夜

ベネズエラを聴く〜熱帯の祭りと宴の国の音楽

論 者:石橋 純(東京大学教員、ラテンアメリカ文化研究専攻)
聞き手:佐藤由美(音楽ライター、編集者)
開場:18:00 開演:19:00 - 21:00
*この日は会場が変わります
恵比寿アートカフェ・フレンズ
入場料:3000円(+ドリンク代500円)

エキゾチックなラテン風歌謡として歌い継がれる「コーヒールンバ」。この曲がベネズエラの旋律だということを、ご存じでしたか?コーヒールンバって、何なのでしょう? そんな疑問を手がかりに、ベネズエラの伝統〜ポピュラー音楽を紹介、その魅力を語ります。ベネズエラ音楽を本格的に演奏する人が日本にも増えはじめました。そんな活動の先駆者である弦楽器奏者・出口泰司さんが結成したアンサンブル・セレステを迎え、伝統楽器と歌の実演もお届けします。

2部ライブ:出口泰司&アンサンブル・セレステ

ベネズエラ各地の伝統音楽を本格的スタイルで演奏する日本で唯一の弦楽器奏者。3種のバンドーラ、マンドリン、クアトロ、ギター、ベース、マラカスを演奏。1994年いらいベネズエラ音楽の実演で日本各地をツアー。門弟と結成したアンサンブル・セレステを率いて、ベネズエラ音楽の普及をめざす。本業はフラメンコ・ギタリスト。

http://www.ongakuyobanashi.jp/

『ルー・リード/ベルリン』と『カルトーラ』

ルー・リード/ベルリン』@渋谷シネクイント、小野島大さんと百々和宏さん(モーサム・トーンベンダー)のトークショー付きの回を観てきた。序盤で睡魔に襲われたせいで流れに乗るのに遅れをとっちゃったけど、映像も演奏も演出も文句なし! ルー・リードかっこよすぎ! 2004年のライヴDVD『スパニッシュ・フライ』の映像(編集とかカメラワークとか)がいまいちだったのとは大違いの、ルー・リードらしいじつにじつに素晴らしい映像作品で、エンディングまで至福の90分でした。トークショーでお二人も盛んに言ってたとおり、こうやって歌詞の対訳字幕付きで聞けるってのは大きい。そのあとは曲がすごくスムースに耳に入ってきて理解度が格段に上がるかんじ。音響もたいへん優れていたし、あと2回ぐらいは劇場で観たい。早くDVDにな〜れ、と。シネクイントは客席の傾斜がもうちょっと付いてるといいのにね。

土曜日はブラジル映画祭で『カルトーラサンビスタの物語』@表参道ヒルズ多目的ホール。ブラジル音楽を聞くきっかけになったのが学生時代に聞いた『愛するマンゲイラ』なので、あんま関わりたくない場所だけど、そうも言ってられずしっかり前売券買って行ってきました。並んで見てたM君@谷中ボッサと二人してこれまた断続的に睡魔に襲われたせいでしばしば「これ誰だっけ?」状態に陥るというもったいないことにはなったけど、貴重な映像だらけのありがた〜い伝記映画でした。せめて片言でもポルトガル語が分かればな〜。DVDであと3回観たい。

それにしても今日の陽の光はとっても気持ちよかった!

ピーター・バラカンの出前ジュークボックスVol.1

アルテスの企画でピーターさんのDJイヴェントを始めることにしました!
題して『ピーター・バラカンの出前ジュークボックス』。ピーター・バラカンのDJ番組をライヴで体験してみませんか? というわけです。詳細は下記に。

そしてこれを機にピーター・バラカン公式ブログがついにオープン! こちらもアルテスで運営していきます。レギュラー出演番組のほか、さまざまなイヴェントやトークショーなどあちこちからひっぱりだこのピーターさんの活動が、ここを見れば一目瞭然というわけです。10月分の出演イヴェント4本の情報もすでにアップしています。これから少しずつ充実させていきますので、乞うご期待。


ピーター・バラカンの出前ジュークボックスVol.1
Vol.1は渋谷のアップリンク・ファクトリーに出かけて、2部構成でお送りします。前半は、今年めでたく復刊となった『魂(ソウル)のゆくえ』にちなんで、ソウルの歴史的名演の数々を、後半は2008年の新譜から選りすぐりの愛聴盤を厳選して、ご紹介します。ピーターさんの愛情あふれるトークとともにお楽しみください。
【日時】11/16(日)14:30開場 15:00開演
【出演】ピーター・バラカンブロードキャスター
【料金】\1,800(1ドリンク付き)
【会場】アップリンク・ファクトリー(渋谷駅徒歩7分
〒150-0042東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F Tel.03-6825-5502
予約:メールアドレス(factory@uplink.co.jp )にてお受けします。メールには 1)お名前 2)予約希望人数(一度の予約で3名様まで) 3)ご住所 4)電話番号を明記のうえ、件名を「出前ジュークボックスVol.1」としてお送り下さい。

☆お客様からのリクエスト曲を pbarakan@gmail.com で受け付けています(@を全角にしてお送りください)。

祝! 片山さんの2冊が吉田秀和賞受賞!

今日の午後に発表された第18回吉田秀和賞の受賞作品は、なんとなんと我がアルテスパブリッシングが刊行した片山杜秀さんの『音盤考現学』と『音盤博物誌』!

吉田秀和さんには「レコード芸術」誌上でも絶賛していただきましたが(セカンド帯に引用させていただいた)、今回の選評でも「天才を博識がはじけ出てくるような批評集」「まったく新しい批評のスタイルを生み出した」と激賞してくださいました。刊行を始めてまだ1年しか経っていないのにこんな賞をいただけるなんて夢のようです。みなさん、どうもありがとうございます。片山さん、おめでとうございます! 来月の水戸での授賞式が楽しみです。

『反ヒューマニズム音楽論』スタート!

アルテスパブリッシングのサイトで若尾裕さんの『反ヒューマニズム音楽論』という連載がスタートしたんですが、これがめっぽう面白いといかじつに鋭いというか、今後を期待させるもの大なのであります。

「情動言語化された音楽語法はとても使いやすい。中世の時代の対位法を学ぶことにくらべたら、ポップスのコード進行を学ぶことはどれほど簡単なことだろう。」

「平板でおおざっぱな人間理解や、音楽のとらえ方がひとり歩きし、ヒューマニズムというひとつの簡便なイデオロギーにまで発展して、人びとを動かしている。私が問題にしているのは、このようなおおざっぱな音楽の感性のあり方である」

西洋中心に発達してきた音楽様式、「ワールド・ミュージック」への疑問、今のJ-POPの恥ずかしいくらい健全な歌詞などなど、じつにさまざまな音楽について本質的な諸問題を考えさせられるヒントが満載ってかんじです。

若尾さんとはぼくは面識ないんですが、相棒の木村君が音楽之友社でつくった『音楽療法を考える』はほんと名著です。大きな問題を具体的なところから始めて丁寧にときほぐしていく手つきがお見事。読んでたら大友良英さんとか増田聡さんとかいろんな人と引き合わせたくなったです。

サイトでの連載はほかにもいくつか準備中。だんだんにウェブマガジン化していきたいという構想はもってるんですが、実現までにはもうちょい時間がかかるかな〜。

本日夜はジュンク堂池袋本店へ!

ありゃま、ずいぶん間が空いてしまった。のに宣伝告知だけですが、『「at武道館」をつくった男』刊行記念トークショー第2弾、坪内祐三×和久井光司「オレたち洋楽世代──1958年生まれのロック談義」は、いよいよ今晩19時開演です。まだ席はすこし余裕がありそうなので、当日でもだいじょぶです。お待ちしてま〜す。

さらに昼間は『新・音樂夜噺』NYラテン特集にどうぞ。ではまた。

面白かった!

昨晩のイヴェント、とにかくゲストお三方の話が、バカ話も含めてじつに面白くて、内容の濃い良いトークショーになりました。お盆の日曜日、しかも雨という悪条件のなか集まってくださったみなさんに感謝です。残念ながらお客さんの数が想定してたより少なかったこともあって、アルテスの収支としては赤字もいいところなんですが(本はよく売れてくれました)、こういうのは単純なお金の計算に替えられない意味があるものなので、またやるぞ、と。次は9月13日(土)ジュンク堂池袋本店での坪内祐三さんと和久井光司さんの対談です。